明治サステナ通信 vol.2 ~4℃シナリオ、1.5℃シナリオ~
皆さん、こんにちは!㈱明治 酪農部 開発グループの本間です。
突然ですが、皆さんは「4℃シナリオ」、「1.5℃シナリオ」という言葉を聞いたことがありますか?ジュエリーブランドのことではありません。地球温暖化を語るうえでポイントとなるキーワードですので、本日はこのテーマについてお話ししたいと思います。
簡単に言うと、「西暦1900年以前と比較して、2100年までに地球の気温が何℃上がるか?」の予測のことです。数字が大きいほど地球温暖化が進んでいる、つまり4℃シナリオは「地球温暖化に何の対策も取らなかった場合に想定される気温上昇予測」を指しています。
一方で、1.5℃シナリオはその名の通り「2100年までの気温上昇が1.5℃に抑えられる予測」のことです。これはパリ協定で定められている「世界の平均気温の上昇を2℃以下に、できる限り1.5℃に抑える」という目標から来ています。
【日本に与える気候変動の影響(2100年まで)】
出典:文部科学省 気象庁 日本の気候変動2020
では気温上昇を1.5℃に抑えるにはどうすればよいのか?気温上昇の要因として温室効果ガス(GHG)の排出がありますが、「2010年と比較して、CO₂換算で2030年までにGHG排出量を45%削減、2050年までに実質ゼロ(カーボンニュートラル) にすること」が必要と言われています。よく「2050年を目標に~」と言われるのは、このあたりから来ているんですね。
さて、ここまで読んでいただき、もしかしたら以下のような疑問を持つ方がいるかもしれません。
「1900年以前からの比較って、今の時点でどのくらい上がっているの?」と。
実は2018年時点で既に+1℃(!)上がっており、それから10年内にさらに+0.2℃(‼)上がる可能性が高いとされています。1.5℃シナリオの達成には、「1.5℃分の猶予がある」のではなく、「0.3℃分の猶予しかない」ということになります。
いかがでしょうか?遠い未来の話ではなく、今からできることを考える、そのようなきっかけになれば幸いです。
ということで今回はここまで。次回は「畜産分野の温室効果ガス排出量」についてお話しします。