明治サステナ通信 vol.10 ~温室効果ガス排出削減量の考え方~
皆さんこんにちは!開発グループの本間です😊
前回はJ-クレジット制度の概要をお話ししましたが、今回はより具体的なお話をします。
本日のテーマは制度の肝となる「排出削減量の考え方」です! 取り組みによって減少した温室効果ガス(GHG)の排出量を、どのような理屈で計算するのかについてポイントを2点お話しします。
第一に、GHG排出削減量は「削減後の排出量」と「ベースライン排出量」の差により算出されます。この「ベースライン排出量」とは、「仮に取り組みを実施しなかった場合に想定されるGHG排出量」です。間違えやすいのですが、取り組みを始める前のGHG排出量ではありません。
【削減後の排出量とベースライン排出量】
出典:J-クレジット制度事務局 Jクレジット制度について
例えば、規模拡大で乳牛の頭数が倍になったとすると、牛のゲップから出るメタンの量も単純計算で倍になります。この場合、仮にメタンを1割削減する取り組みをしたとしても、牧場で排出されるメタンの総量は規模拡大前から増えてしまうことになります。それでは削減の取り組みが正しく評価されない!ということで、過去の実績ではなく、「今の状態で仮に取り組みをしなかった場合のGHG排出量」との差で算定する、という手法をとるのです。
第二に、上記でお話ししたGHG排出量の計算式は自由に決められるものではなく、「方法論」として登録されているものに限られます。
方法論とは、GHG排出抑制の取り組みについて、「どのような取り組みか」、「何の家畜を対象とできるか」、「どうやって抑制量を計算するか」、「何のデータを集める必要があるか」などを定めているものです。砕けて言うと、「あらかじめ決まったプランを利用する必要がある」という感じです。それに基づき実際の取り組みを進めることとなります。
ということで、今回はここまで。
制度の話はどうしても難しくなりがちですが、ぜひ今後もお付き合いください!🙇♂️
次回は「方法論」にフォーカスを当て、「農業分野の方法論」についてお話しします。