明治サステナ通信 vol.6 ~メタン発酵処理施設~
皆さんこんにちは!開発グループの本間です。
前回は、食品ロス削減の取り組みとして、賞味期限の延長や商習慣の改善についてお話ししました。今回は、食品ロス削減に向けた当社の別の取り組みを紹介いたします。
酪農家の皆さんから頂く生乳は、牛乳の他に様々な乳製品へ加工することができます。
【生乳のミルクツリー】
出典:㈱明治 ホームぺージ
そのいずれもが人々の食卓を彩る欠かせないものですが、作られる製品によっては使い切れない副産物が出てきてしまうものがあります。その一つがチーズの製造時に発生するパーミエイトです。チーズを製造するときに副産物であるホエイが発生しますが、そのホエイをさらに濃縮膜に通すことで、タンパク質を濃縮したホエイたんぱく質濃縮物(WPC)とパーミエイトに分離することができます。WPCは、たんぱく質が主成分でプロテイン等の原料に使用できる一方、パーミエイトは、乳糖が主成分となり乳等命令(乳及び乳製品の成分規格等に関する命令)の決まりで他の乳製品に混ぜられない、といった制限があります。そのため、パーミエイトの使用先がなく、元来は産業廃棄物として処分していました。
そこで、当社のチーズ製造拠点である十勝工場では、このパーミエイトを有効活用するために9億円超を投資しメタン発酵処理施設を導入しています。この施設では、パーミエイトをメタン発酵させてバイオガスを生成し、それを工場内の熱エネルギー原として利用することで、「産業廃棄物の削減(▲54%)」、「CO₂排出量の削減(▲5.9%)」、「使用電力の低減」を実現しています(カッコ内の数値はいずれも2021年度比)。
【メタン発酵処理施設】
出典:㈱明治 ホームぺージ
近年、メタン発酵処理施設は家畜排せつ物の活用先としても注目が高まっています。これまでは、使用先が無く捨てるしかない、あるいは生産活動のボトルネックとなっていたものが、環境問題に貢献できる宝の山に化けるかもしれません。一方、こうした取り組みは個々の酪農家や一企業だけでは限界もあり、今後は地域を巻き込んだ大きな取り組みとして広がっていくと思われます。
当社としても、酪農業や地域との共生を目指し、今後もそうした取り組みを推進してまいります。
ということで今回はここまで!次回は「有機酪農」についてお話しいたします。