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本間
明治G
2024/11/01 10:13

明治サステナ通信 vol.4 ~みどりの食料システム戦略~

皆さんこんにちは!開発グループの本間です。

地球温暖化をテーマにお伝えする第4回目は、食料・農林水産業の成長戦略として日本が掲げている「みどりの食料システム戦略」についてお話しします。聞いたことはあるけどよく分からない、そんな方も多いのではないでしょうか?ちなみに私はよく「みどりの食料戦略システム」と言い間違えます😅

2021年に策定されたこの戦略ですが、テーマはずばり「生産力向上と持続性の両立」です。

<みどりの食料システム戦略の策定背景と目指す姿>

■「生産力」の課題

 生産者の減少・高齢化が進み、労働力不足による生産活動への支障、集落の消滅などの問題が顕在化している。

■「持続性」の課題

 異常気象などの環境問題が顕在化し、国際社会でもSDGsへの対応が市場価値を左右する要因として重要視されている。

■目指す姿

 食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立を新しい技術で実現!

【国内生産者の高齢化と減少】

【環境問題の国際社会での位置づけ】

出典:農林水産省 みどりの食料システム戦略の実現に向けて

この目指す姿を実現するため、「環境負荷の軽減(脱炭素化、化学農薬・化学肥料の低減)」、「労力軽減・生産性向上」、「地域資源の最大活用 (食品残渣や家畜排せつ物などを利用した資源循環)」、「生物多様性の保全・再生」を重点として目標の設定や具体的な取り組みが設定されています。

【みどりの食料システム戦略における目標(温室効果ガス削減関連のみ抜粋)】

出典:農林水産省 みどりの食料システム戦略の実現に向けて

さて、これらの取り組みが進んでいくと世の中にどのような変化が起こるでしょうか?

一つ目は「政策のグリーン化」です。政策による支援対象が、持続可能な食料・農林水産業を行う事業者に集中するようになります。実際に、農林水産省は補助事業へのクロスコンプライアンス(※)の導入を決定しています。

※補助事業において、環境負荷低減に関する取り組みの実施を必須の要件とすること

二つ目は「スマート農業やグリーンエネルギーなどの技術革新」です。AIやセンシング技術、オートメーション化など様々な機械やシステムが実現されていきます。

今年は、農政の基本理念や政策の方向性を示す食料・農業・農村基本法が25年ぶりに改正されました。この改正により「環境と調和のとれた食料システムの確立」が農政の基本理念として位置付けられています。この流れに沿って国や企業が動いていくことは確実です。知らなかったせいで損をする、そのようなことが無いよう、情報収集と実践へ意識を向けてみてはいかがでしょうか?

明治としても酪農現場と一緒に取り組めることを考え、提案してまいります。

最後は地球温暖化だけの話でなくなってしまいましたが、今回はここまでにしたいと思います。次回からは、「明治の環境対策」についてお話しいたします。

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