明治サステナ通信 vol.3 ~畜産分野の温室効果ガス排出量~
皆さんこんにちは!開発グループの本間です。
これまでの2回は地球温暖化によって生じる影響をお話ししてきましたが、今回はその原因についてのお話です。なぜ地球温暖化というテーマにおいて酪農が注目されているのか?🤔について、理解が深まれば幸いです。
早速ですが、地球温暖化の主な原因として温室効果ガス(Greenhouse Gas:GHG)の濃度が上昇していることが挙げられます。GHGとは「本来宇宙に放出される熱を地球上にとどめ、温室効果をもたらす気体」のことです。そのまんまですね🙇♂️
出典:気象庁 WMO温室効果ガス年報
そもそも、温室効果は生物にとって必要なもので、GHGが全くないと地球の気温は氷点下19℃まで下がると言われています。GHGそのものが悪いのではなく、排出と吸収のバランスが崩れてしまっていることが問題なのです。
そんなGHGですが、良く知られる二酸化炭素の他にも様々な種類があります。
【GHGの種類(一部抜粋)】
N₂Oまでいくとなかなかのインフレ率です。
前置きが長くなりましたが、そうしたGHGについて、各国はその排出量を計算しており、日本では以下の通りとなっています。
【日本のGHG排出量】
【畜産全体に占める各畜種の割合】
出典:農林水産省 農畜産環境をめぐる情勢
日本における農林水産分野由来のGHG排出量は全体の4%と少ない割合ですが、地球温暖化抑制に向けては数値の大小ではなく、すべての産業で取り組むことが求められます。
畜産分野のGHG排出量に焦点を当てると、さらに次の特徴が挙げられます。
①農林水産分野由来のうち、「燃料燃焼」、「家畜由来」、「稲作由来」がGHGの3大発生要素
②家畜由来で温室効果の高いCH₄やN₂Oが排出される
③家畜由来のうち乳用牛由来が全体の約半分
こうした背景から、酪農分野におけるGHG排出抑制が重要課題の一つとして設定されており、様々な政策にも反映されています。
いかがでしょうか。今はGHGの発生源として注目されている酪農ですが、ピンチはチャンス!と捉え、これからの取り組みと合わせて「酪農はやはり環境にやさしい!」とさらに思われるように業界一丸となっていければ、と考えています。
いうことで今回はここまで。次回は「みどりの食料システム戦略」についてお話しします。