明治サステナ通信 vol.19 ~技能実習制度の国際評価~
皆さんこんにちは!開発グループの本間です。
今回は「技能実習制度の国際評価」についてお話しします。海外でも人材不足が課題となっている現代、世界から日本の制度がどのように見られていると思いますか?
アメリカ国務省が毎年公表している世界各国の人身売買に関する報告書「Trafficking in Persons」では、技能実習制度下において「強制労働」にあたるものが存在している、と指摘されています。物々しい表現ですね。
強制労働とは「処罰の脅威の下に強要され、かつ、自ら任意に申し出たものではない一切の労務」と定義されています。なんのこっちゃ?という感じですが、例えば以下のようなものがあります。
【強制労働の代表例】

出典:大和総研 技能実習制度に潜む人権リスク
暴力といった事例の他に、金銭や移動の制限によって自由を奪ってしまうことも強制労働につながります。ではなぜ技能実習制度と強制労働が結びつくのか?この背景には大きく2つの要因があると言われています。
ひとつ目は、技能実習生が負担する債務です。技能実習生は、来日前に海外の送り出し機関を通して各種手続きを行いますが、技能実習生が過度な仲介手数料を要求される場合があり、多額の借金を負担していることがあります。そうした状況は、借金によって債務返済のための労働を強要されている、とみなされてしまう訳です。
ふたつ目は、技能実習制度における転籍の制限です。人材育成を目的とする技能実習制度では、継続的な実習を行う観点から転籍が制限されています。これが、移動や職場を選ぶ自由を侵害しているとして問題視されているのです。
明治サステナ通信 vol.18 ~技能実習制... | Meiji Dairy Advisory COMMUNITY
ですが、こうした評価を受けて国も動いています。技能実習制度に代わり2027年から施行される「育成就労制度」では、転籍の制限が緩和される見通しです。
また、フランスに本部を置く経済協力開発機構が2024年に公表した、移民労働者政策に関する報告書「Recruiting Immigrant Workers: Japan 2024」では、「債務の問題は技能実習制度固有の問題ではない」、「日本のコンプライアンスレベルは高く、技能実習制度に関する法令違反率は国際的に低い水準である」と一定の評価も受けています。
大事なことは単なる制度の善し悪しではなく、問題とされるような事例が自分たちの牧場でも当てはまってしまわないか、とフラットな目線で考えてみることではないでしょうか。
ということで今回はここまで!次回は「育成就労制度」についてもう少し掘り下げてお話しします。